おさかたさむぅぁぁぁぁああああ!!
幸村ぁっ!!!!

えんどれすえんどれす。


「・・・・・・人の家でも気にせずやるか・・・流石」
「感心できる事では無いと思うが、」


・・・そうですね。

まだ伊達政宗の城にお泊り中。
普通にしてれば政宗サマは怖くないので結構いい感じです。
・・・スキンシップが激しいのが困りものだが。(ゆきが叫ぶ叫ぶ)


「いい加減止めぬと竜の逆鱗に触れると思うのだが」
「ん〜・・・・・・そう、なんだけどねぇ」


その気になれないのですよ。


「・・・何故?」
「わかんない・・・・なんかさぁ・・・・・嫌な感じ」
「答えになっておらぬ」


仕方ないでしょ、本人だってわかんないんだもん。


「こう・・・・首筋がむずむずするというか、背筋がぞくぞくするというか・・・」
「風邪か?」
「喧嘩売ってる?買うよ?」


にっこり。
・・・・・・・・すまぬ。

まったく・・・なりクンは未だに私の性格をつかめない様子。
と言うより・・・天然ボケな気がしてしょうがない。でもまぁそこがいいんだけど。


お や か た さ むぁぁぁああああ
ゆき むるぁあっ!


・・・あ、ムカついてきた。


重い腰を上げてあの二人を止めに行こうとすると、頃合を見計らったが如く、政宗サマの右目・片倉小十郎が部屋に入ってきた。
・・・珍しい。私のこと嫌いだと思ってたんだけどな。


「挨拶も無しに申し訳無い、火急の用に御座います」
「気にしないわ・・・で、どうしたの?貴方様が慌てるなんて珍しい」
「実は・・・上杉軍が我が領地に攻め入ったとの情報が」
「軍神上杉謙信か・・・」


これね、さっきからの嫌な予感は。
父上がここに居ることをわかってのことだろう。
本当に大好きなのねぇ・・・。


「政宗様は既に軍を準備されておりますので・・・」
「必要無いわ・・・佐助」
「はいはい?なんでしょ、姫さん」
「上杉の進行状況を」


音も無く降り立った佐助、これには片倉も少し驚いた様子。
元就は既に武器の準備をしている。・・・佐助ももちろん武装済みだ。


「もうその辺まで来てる。兵は少ないけど・・・あの軍神だ」
「どんな策を用いるか・・・。見物だな」
「こらこら、なりクン。これは私たちの所為でしょ?
 ・・・しっかり働いてもらうからね、もちろん佐助も」
「無論」
「忍つかいの荒いこって」
「・・・と言うわけで、片倉様、政宗様に進軍中止を促して下さい。
 これは我々武田と上杉の問題です故に」

「それは聞けませんな」
「・・・伊達の領地だから?それとも貴方の主が乗り気だから?」
「・・・・・・どちらもだ」


あらあら。と言うより、自分も楽しみたいから、ってのもありそうねぇ。
・・・まぁいいや。


「では、政宗様と片倉様だけで来て下さい。
 こちらも元より我々だけで突撃するつもりでしたし」
「ちょっとちょっと!旦那と大将に言わずに行く気だったの!?」
「うん。だってあれ止めるの面倒だしぃ?」
「・・・・・・・お叱りが怖いと思うが」
「あ〜・・・そうね。じゃ、止めてくるからみんなは先に行ってて?」
「待たれよ!こちらはその条件を飲むとは・・・」
「飲みなさいな」


にこ、と片倉に笑いかける。彼は押し黙る。
戦場用の笑みを貼り付け、言葉をつなげる。


「別に飲まないならそれでもよろしいです。
 しかしそれは・・・兵の命を自ら消すのと同じで御座います。
 相手は上杉謙信、貴殿らの力だけの戦では破られるのは目に見えております。
 奴と対等に渡り合えるのは私(わたくし)の父のみ。
 ・・・無論、私の力のみでも勝てますが」

「何事じゃ」

「・・・あら、父上。気付かれましたか」


にこにこ、と戦場用のまま笑うと父上である信玄は顔をしかめる。
後から来た幸村も険しい顔になる。


「上杉がこちらに攻めて来たらしい。
 姫曰く、信玄公がこちらに居るからだろう、と」
「・・・・あやつ・・・時と場所を選ぶ事が出来ぬのか・・・」


口では呆れた風を装っているが、瞳の奥は赤い炎が燃え上がっている。


「片倉殿、わしの娘が失礼をした。
 それと・・・この件、わしらに任せてもらえぬか」
「・・・・・・親子揃って同じ事を・・・」
「なんじゃ、も言うておったか」
「はい。でもここは伊達の領地故にそれは出来ぬ、と申されまして。
 ならば片倉様と政宗様だけなら、と進言した次第です」

「小十郎!!何やってやがる!?」
「政宗様!」


突然乱入してきたのは政宗。
・・・ああ。話が面倒になってきた・・・。



++++++++



「Ya-ha-!!いいねいいねぇ!じゃんじゃん来いよ!」
「うおりゃぁぁああ!!撃破、げきはぁっ!!」

「・・・なんでこの二人となのよ・・・」


結局「俺が行ければ他はどうでもいい」と言う政宗の発言で片倉が折れたのだった。
先駆けとして、幸村・政宗・私。
中堅に元就・片倉。
もちろん大将は父上である信玄。
佐助は情報伝達係。

本当は父上と後ろに居る予定だったのに、政宗の強い要望でこうなった。
・・・基本的に人を殺す戦は嫌なんですけど〜・・・と言った所でどうにもなる訳が無い。
さらに、二人が通った後には誰も生きてる訳も無く、文字通り“屍の道”と化している。
たまぁに二人のどちらかが打ち洩らした兵を気絶させるのみ。


!見てねぇでお前もヤれよ!」
「ご勘弁を。見てるだけで十分でーす」
「姫!もう少し離れて下され!危のう御座います!!」
「了解りょうかーい、ゆき頑張って〜」
「さなだぁっ!!てめぇに戦わせねぇつもりか!?」
「無論っ!!姫に戦わせるつもりなど・・・ありませぬっ!!」


口喧嘩しながらも敵を倒すとは天晴れなり!
・・・なぁんて、ね。

ゲームをしていた時、幸村はもっと幼くて、文字もろくに読んだり書いたり出来ない子だと思ってた。
でも実際は違った。きっと今思っている以上に幸村は“大人”なんだと思う。
人の死も、現実も、この先も、しっかりと見据えているんだと思う。
・・・正直、幸村には勝てない。ううん、幸村だけじゃなくこの世界の人全員に。

私の想いは中途半端で、、、やましい考えを持っていた頃の私が恥ずかしい。


「姫っ!!!」
!避けろっ!!」

「・・・ぇ


 ・・・・・・・・・・っぃぁあ!!?」


何が起こった?
二人が振り向いて、名前を呼んで、、、“よけろ”って。


私の右肩には深々とくないが刺さっていた。



++++++++

あらあら。前方不注意ですわね。
姫は一体どうなってしまうんでしょーか。

基本的に姫はみんなの事が大好きです。
でも暴走した政宗は苦手な様子(前回のを見ると分かるかと)
さてさて・・・どうなることやら。




2006.9.01 刹霞

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