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「ーっ!」 「ぅわ!? ・・・望美サン。いきなり飛びつくのはやめましょう?」 「う・・・ごめん」 ボクの首に後ろから腕を回し、顎を肩に置いた(抱きついたままの)状態でしょぼん、とする少女。名前は春日望美。高校に入って出来た友達の1人。 「いい加減お前もやめろよ。いつも怒られてるじゃねーか」 「それは・・・キミも一緒だろ?有川」 「俺?・・・そーか?」 そりゃ悪かったな。そう言って後ろから来たのは有川将臣。望美の幼馴染で僕の悪友。 きっと肩をすくめてたんだろう。振り向いて見なくても分かるようになってしまった自分が憎い。 「・・・で?望美は僕に何か用があったんじゃないの?」 「あ、うん!冬休み、一緒にどこか行こう?将臣くんと譲くんとに私。4人で!」 「・・・ボクはいいけど・・・有川は?バイトとか入れてるんじゃないか?」 すたすたと廊下を歩く。周りには他の生徒が居る。走っていたり、友達と話していたり。 「まーな。でもまぁ、遊べないわけじゃねーし」 「ふぅん。ならいいんじゃない?・・・あ、でもゆずクンは?あの子部活があるでしょ」 隣に歩く有川を見上げる。・・・ムカツクが有川は身長が高い。どうしても見上げないと話せない。 「平気だろ。望美の願いだ。あいつが嫌がる道理がねぇ」 「うわ・・・酷。人の事言えないだろ、キミも、さ」 最後の方はぽそり、と呟く程度。有川とは逆の位置に居る望美には聞こえていない。 それにあわせて、ではないがボクも自然と小声になる。・・・まぁ、望美とは身長がさほど変わらないので聞こえているとは思うけど。 「・・・まーな」 「??何二人で内緒話してるの?」 教えてよ!と騒ぐ望美を横目で見て苦笑する有川。ボクも思わずくすり、と笑う。 その様子に頬を膨らませふてくされる望美。・・・可愛いなぁ・・・。 「ねぇ、望美?そうえばクリスマスはどうするの?」 「へ?えっとね・・・駅前のお店に行こうかと思ってるんだ!」 「駅前の?・・・ああ。あそこか。去年も行ったよな?」 唐突に話を変える。望美は一瞬きょとん、とした顔をするがすぐに笑顔に変わり、嬉しそうに話をする。 それに便乗する有川。 「うん。飾りつけも可愛かったし、いいかなー、って思って」 「いいんじゃねぇ・・・・ん?」 何かに気付いたのか、有川が視線を望美から正面に向ける。 それにつられて僕と望美も前を向く。すると前から男子が三人歩いてくる。その内の一人は・・・ 「ゆずクン」 有川譲。有川の弟で僕らの一つ下。礼儀正しい子なので僕が気に入っている後輩クンである。 ぽそり、とボクが呟くのが聞こえたのか、それとも視線があった為か、彼は小さくお辞儀をする。うん、偉いなぁ。有川とは雲泥の差、月とすっぽんだ。とか思っていながらにこり、と微笑み返す。 ボクの挨拶返しに少し照れながらもす、と視線を有川に向ける。・・・あーぁ、また睨み合いだよ・・・。 正直、この兄弟はあまり仲が宜しくない。・・・原因は幼馴染ちゃんなんだけど、その本人はまるで気付いちゃいない。報われないねぇ。 と、そんな兄弟を眺めていたボクにしゃん、と綺麗な鈴の音が聞こえた。 なんだろう?とあたりを見回した時と同時に望美の声が聞こえる。 「ねぇ、君どうしたの?迷子?」 学校で迷子?そう考えながらも、望美が見つめる方を見る。有川とゆずクンも同じ方を向く。 そこには髪の長い少年が立っていた。・・・雨の中を。しかも変な服を着て。 しゃん。また鈴の音が聞こえる。 ボクが少年に声をかけようとする前に、少年が先に口を開いた。 「貴女が・・・私の・・・・・」 少年が望美を見て、微笑む。 「・・・・・・・神子・・・・・・」 「え?」 少年の後ろが光る。 それと同時にごごご、と何かが押し寄せる音。 望美が後ろを振り向く。 それと同時か、それとも望美が遅かったか、それも判らぬまま彼らは激流に飲み込まれた。 「きゃぁぁーっ!!?」 「望美ッ!!」 「先輩ッ!!」 有川とゆずクンが叫ぶ。 有川が望美に手を差し伸べる。 でも、その手が触れることはなかった。 有川は激流に飲み込まれ、望美もゆずクンも、飲み込まれた。 でも、何故かボクだけが違う場所でそれを見ていた。 薄暗い空間。凄く、淋しい空間。 「ごめん、なさい」 誰かの謝る声。 大丈夫。平気だよ。ボクは平気。 でも・・・あの三人は?大丈夫? 「神子たちなら、大丈夫」 そっか。なら、いいよ。 それで・・・ボクはどうすればいいの? 「・・・守って」 守る?何を守るの? 望美たちを? 「すべてを」 すべ、て? 「神子も、八葉も、世界も」 みこ?はちよう? なんなの?それは・・・ 「守って・・・」 「貴女は・・・私の、」 「私たちの、化身」 後書きと言う懺悔部屋(笑) いやいや いや。とうとうやっちゃいました。 でも多分続かないと言う代物。だって・・・ねぇ。 まぁ、おいおい増えるのでは? では。これにて。 2005,9,24 氷城刹霞 戻る |