「た、大将っ!!」




結局一緒に鍛練を始めていた二人の元に、雑兵が咳を切らして駆け込んでくる。
二人は動きを止め彼を見る。
は首を傾げ、九郎は男に声をかける。



「どうした?」
「お、お、おんっ・・・!」
「落ち着いて息を吸え。
 ・・・何があったんだ?」



男はは、はひっ、とだらしなく言葉を漏らしながらも息を吸って、はく。
そうすると少しは楽になったのか、幾分かまともな顔で九郎を見る。


「し、神泉苑の近くに、お、怨霊がっ!」
「なんだとっ!?」
「梶原殿と、弁慶殿はすでにむ、向かわれて、おりますっ!た、大将もお急ぎください!
 何名か、負傷者が出たとの連絡も入っております・・・!」
「・・・わかった!ご苦労だった」


そう言い放つとすぐに馬をもて!と叫ぶ。
それを聞き付けた者が直ぐ様用意し、連れられてくる九郎の白い馬。
それにまたがろうとした九郎だったのだが、くいっと着物が何かにひっかかる。
何だ?下を見ればが淋しそうな顔で九郎を見上げている。
すっかりの存在を忘れていた九郎。はぁと溜息を吐き、をひょいと抱え上げそのまま馬に乗せ、その後ろに自分も乗る。




「邪魔はするなよ?」



そう言えばにこーっ、と嬉しそうに笑う
再び溜息をつき、それから目を閉じ息を吸う。


そして目を開く。



目を開けた九朗は前を見据え、そして馬を走らせる。













後書きと言う懺悔部屋
はい、九朗は忘れっぽいんです・・・嘘です、ごめんなさい。
自分が忘れてただけ・・・って訳でもないんです。
うーん・・・話せないと誰が主役なんだかわかんない・・・。


2005/09/28 刹霞



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