むせ返るような鉄の臭い。
は長い棒を持ち直し、眉をしかめながら辺りを見回す。
大体は…終わったかな。
少女の周りには武装した男たちが折り重なるように倒れている。
彼らは死んでいるように見える。しかし、生きているようにも見える。
が居る場所、それは宇治川。木曽義仲が源義経に討たれる場所。
が居る理由。それはみんなを守る事。
あの子に言われたから、ではない。
ただ純粋に守りたかった。それだけ。
力が無ければこんな無茶なことは言わない。
でも、には力があるから。みんなを守れるだけの、力が。
だから木曽義仲討伐戦に志願した。
頼朝に命じられたのは幸運だった。でなければ自分で九郎たちを説得しなければいけなかったのだ。
頼朝様様、である。
と、色々と考えていると味方兵から撤収命令が届く。
わかった。振り返りながら言い放ち、みんなが陣を構える場所に戻ろう、と歩みを進めた。
しゃん、と鈴の音が聞こえた気がした。
歩くのを止め、辺りを見回す。
別に何も無い。
あの少年も居ない。
でも、居る。
あの人たちが。
は戦場に似つかわしくない微笑を漏らし、空を見上げる。
「ようやく、会えるね・・・・・」
後書きと言う懺悔部屋
はい。これにて『応龍の化身』は終了で御座います。
これ以降は短編で『応龍の化身』が活躍すると思いますんで〜。
これからも『応龍の化身』を宜しくお願いします!
2005/9/30 刹霞
戻る