「・・・・・・・・・・あったかい。」


ある日差しの弱い、しかし過ごしやすい温かさ。
その所為で、瞼がくっつきそうになるのを我慢している少女。
『応龍の化身』と呼ばれている彼女の名は、

彼女が座っているのは縁側。うっすらと雪の残った庭を目の前にしている。



彼女と『龍神の神子』たち、欠けた『八葉』と『龍神』は源氏の棟梁、源頼朝から逃れる為、奥州・平泉に助けを求める事に。

そして今、彼女の居る邸は平泉の棟梁、藤原秀衡が用意した場所である。
色々と配慮してくれたのだろう。景色は良く、人も少ないので煩くない。


膝を両手で抱え込み、その膝に顎を乗せ縮こませた格好で、ぽややん、と庭を眺める。

望美とその他の面々は、平泉を蝕む『呪詛』を祓う為に外に出ている。
本来ならば彼女も行く筈だったのだが・・・・・・・



『ボクも行くー』
『駄目です。』
『・・・何でそんな事言うのさ、弁慶?』
『今の君では、望美さんの役には立たない。

 ・・・自分で、分かっているでしょう?』

『・・・・・・・・・・』



と、地の朱雀・武蔵坊弁慶に一刀両断された。


十分承知している。今の自分の事ぐらい。
ココロが揺らいで、力が抑えられない事ぐらい。


「・・・時、さん、」


欠けてしまった八葉。
それは、彼女の想い人であった地の白虎・梶原景時。


・・・何処で間違えた?
・・・何処ですれ違った?
・・・何時から、隠してた?


自分で勝手に分かってるつもりになってた。
彼の事を一番に理解してると思ってた。
・・・信じてくれていると思ってた。
隠し事なんてしないと、思ってた。


今更、遅い。
何もかも、遅い。遅すぎた。



「ボクのこと、きらい、に、、なった?」



ぽつんと吐かれた言葉。
言葉にしてしまうと、あたかも本当である様に思えてくる。





自分が惨めに思えて、少女は膝に顔を埋め、声を殺して、泣いた。





少女の悲鳴は誰にも届かず、降り始めた雪にかき消された。












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平泉ルート。
景時はやっぱり場数を踏んでいるので、本当に知られたくない事は最後まで誰にも勘付かれない様に隠し通すのが上手いと思います。
と景時は実は両想いなんです。言わなくても通じ合ってる。阿吽の呼吸。以心伝心。
それは本当なんだけど、でもやっぱり事情があるから悟らせないようにしてて、も何と無くは分かってるんだけど、言いづらい事なら聞かないよ、みたいな。
で、結局はこうなっちゃって。
は後悔しちゃって、悲しくて。でも隠して頑張ってはいたんだけど・・・弁慶にバレちゃって、余計に落ち込んだ。みたいな。

後ろ暗いのは大好きです。
景時十六夜ルートは大好きです。でもEDはちょっと気に食わない・・・(えー)


2006.4.25 刹霞



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